このたびは Library of the Year 2019 優秀賞を賜り、本当にありがとうございました。
県立長野図書館では、この 5 年間「情報と情報」「情報と人」をつなぎなおし「人と人」をつなぐことを事業の軸として、たくさんの方々と共にこれからの「図書館」さらには「公共」のあり方を考え、創っていくための様々なチャレンジを重ねてきました。
新しい「情報・空間・人」のあり方について考えることは、図書館のみならず今の困難と可能性に溢れた時代の社会にとって最も重要なテーマだと考えるからです。
受賞理由に挙げていただいた「知の公共性をひたむきに志向した,共創の舞台となる情報拠点の構築」とは、そのようなプロセスへの評価と、その向かう先にあるべき社会の中に再定置される図書館のありように対する期待だと受け止めております。
また、今回の受賞は、これまで当館と共に考え、歩んでくださった信州内外のすべての方々のものであり、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
人と人をつなぐ
「共知・共創―共に知り、共に創る」をコンセプトに掲げた「信州・学び創造ラボ」の整備段階、またオープン以後の連続ワークショップで一貫して大切にしてきた視点は「体験をデザインする」ことです。
「サードプレイス」「コラーニング」「カフェ」「賑わい」など、既にある場や関係性を表す言葉からメニュー選びをするのではなく、「今」「ここ」で起こって欲しい体験はどんなものなのかをみんなで考える。そこでの行為規範も自分たちで考え、創り出すような、自立した市民による「学びと創造の自治」の空間を目指すこと。
それは、「どうしたら新しい価値を創造する多様なコミュニティを創ることができるのか」を模索し、これからの図書館の空間や運営の可能性について地域や社会に提案することです。それは、情報と人が集まる公共図書館だからこそできることだと考えます。
今後も、「公共=Public」とは何なのかと問い続けながら、何よりもみんなが楽しく、また自然に考えられるような場と機会をつくっていけたらと思います。
情報と情報、情報と人をつなぎなおす
また当館は、人々が本のみならず自由にデジタルな情報に触れられる基盤を整え、それを活用し、新たな社会的価値を生み出す力を身に付けていくためのサポートをしていくことも、これからの図書館にとってとても大切な役割だと考えます。
図書館を起点としてつながる人々が、地域社会において新たな情報を創造し、蓄積し、これを分かち合う基盤として、知の循環を担う「コモンズとしての図書館」を目指し、今後も空間、情報、人のつながりに関する様々なことに取り組んでいきます。
新しい知のプロセスを試行するわたしたちのこの「実験」は、当館の中で完結するものではなく、長野県内の市町村や学校の図書館に向けての「問いかけ」です。情報基盤社会における地域の拠点として、学びの拠点として、それぞれのまちのそれぞれの図書館や知の拠点がこの先もっと自由に活動していくことが目標です。お金も人も少ないけれど、「一緒に考える」ことを基本にしながら、広い信州の図書館同士、一
緒に進んでいきたいと思っています。
これからも県立長野図書館は、信州における多様な知を分かち合い、伝えていくこと、そして、表現すること、創ることを大切にしながら、たくさんの人たちの「知ること」をサポートし、自由に情報に触れられる基盤を整えていくことに尽力していきます。わたしたちの取り組みに共感していただける全国の皆さんには、引き続きご支援、ご協力をお願い申し上げます。
関連動画
Library of the Year2019プレゼンテーション
「コモンズとしての図書館」[2019/11/13(水)パシフィコ横浜]
第21回図書館総合展 県立長野図書館ポスターセッション
「あなたにとってこれからの図書館とは」[2019/11/12(火)~14(木)パシフィコ横浜]
初めて出展したポスターセッションブースでは、訪れる方に「あなたにとって”これからの図書館”とは?」という問いにお答えいただきながら、撮らせていただいた写真をスライドショーとして流しました。その際の写真をまとめて動画にしたものです。
【参考】ポスターセッションでお寄せいただいた「あなたにとって“これからの図書館”とは?」一覧 (PDF 280KB)
第21回図書館総合展 県立長野図書館ポスターセッション
「県立長野図書館のいま」[2019/11/12(火)~14(木)パシフィコ横浜]
上記の皆さまの写真を撮らせていただくのと同時に、当館の今の様子をお伝えするスライドショーもポスターセッションブースで流していました。その際の動画をまとめたものです。
当館スタッフ 発表資料
2019年11月14日(木)10:00-10:30
フォーラム名:「多様化するアウトプットの手法とともに変化する図書館の役割~国内外のメイカースペース事例にみる利用者の創造的な活動を支援する空間とサービス~」
主催:図書館総合展運営委員会
発表資料:「想像から、体験を超えた、創造へー県立長野図書館「信州・学び創造ラボ」ものづくりラボの試み」/朝倉久美(PDF5.4MB)
2019年11月14日(木)13:00-10:30
フォーラム名:図書館に新規利用者を呼び込む! 図書館とWikipediaタウン
主催:神奈川県図書館協会
発表資料:「「知る」・「調べる」・「伝える」ことに自覚的になるー”WikipediA LIB@信州”の開催意図からー」/小澤多美子(PDF 2.2MB)
Facebookページ「県立長野図書館」
このページ内の資料類は特に表示のない限り クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
【お問合せ】企画協力課(TEL:026-228-4939)
“良い図書館を 良いと言う”
「Library of the Year 2019」
優秀賞を受賞しました
「Library of the Year:ライブラリーオブザイヤー」(LoY)は、これからの図書館のあり方を示唆するような先進的な活動を行っている機関に対して、NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)が毎年授与する賞であり、このたび県立長野図書館は「LoY2019 優秀賞」を受賞しました。
これは、知識基盤社会における知の拠点のあり方、また「共に知り、共に創る」公共空間のあり方をめぐる当館のこれまでの取組みが評価されたものです。
「学びと自治」を核にした「しあわせ信州創造プラン2.0:長野県総合5か年計画」においても、生涯にわたって学び続ける環境づくりという側面から、公共図書館の役割が重視されています。
県立長野図書館は、今後も県内市町村立図書館や県民の皆さんとともに語らいながら、「これからの図書館」の実現に向けて進んでいきます。
1.Library of the Year(LoY)とは
(1)概要
2006年に創設され、今年で14回目の開催。公共的な取り組みだけではなく、他の「図書館やそれに準ずる施設・機関」にとって参考になる優れた活動や、独創的で意欲的に取り組んでいる具体的な事例を評価し広く知らしめることを目的としたもので、ベストの図書館を決めるものではありません。毎年、IRIの理事及び外部選考委員により、図書館など知的資源に関わる全国の機関を対象に賞を授与しています。
(2)「LoY2019 優秀賞」受賞機関
- 県立長野図書館
- 札幌市図書・情報館(北海道)
- 恩納村文化情報センター(沖縄県)
- 京都府立久美浜高等学校図書館(京都府)
(3)授与機関
(4)過去の状況
2006年以降2018年までに優秀賞を受賞したのは全国46館・団体となり、そのうち長野県内の図書館・団体の受賞は以下のとおりとなります。
- 小布施町立図書館(2011 大賞)
- 伊那市立図書館(2013 大賞)
- 塩尻市立図書館/えんぱーく(2015 優秀賞)
- 株式会社バリューブックス(2018 優秀賞)
2.最終選考会
優秀賞受賞4機関がプレゼンを行い、その中から大賞およびオーディエンス賞を決定する最終選考会が以下のとおり行われます。誰でも参加できる公開型の選考会です。
日時:2019年11月13日(水) 15:30-17:00
会場:パシフィコ横浜(横浜市みなとみらい)
3.受賞事業・理由 (2019.10.2発表のため追記)
■対象事業名:知の公共性をひたむきに志向した,共創の舞台となる情報拠点の構築
■受賞理由:これからの「公共」とは何か,という非常に困難な問いに対し,正面から向き合っている図書館である。この図書館では従来の児童書の貸出に留まらない「体験の貸出」や,学生・社会人向けのコモンズの設置,知の公共圏を現出させるアンカンファレンスのスタジオたる信州・学び創造ラボなどを実装しており,他の図書館と参考となりうるモデルルーム機能をも持つことが特筆できる。これら空間・機能・サービスは単にトップダウンで作られたのではなく,館長のアイデアに触発されつつ,構成図書館員・住民・大学生・図書にかかわる様々な団体が討議しながら作り上げていった点を評価した。
(「IRI知的資源イニシアティブ」のサイトから転載)
【お問合せ】企画協力課(TEL:026-228-4939)
(一財)長野県文化振興事業団信濃美術館と
連携協定を締結しました
県立長野図書館は、その所有する情報への県民のアクセスを容易にするため、一般財団法人長野県文化振興事業団長野県信濃美術館と、相互に連携および協力する事項に関して協定を締結することになりました。
県民向けの講座・展示等のプログラム企画の協働のほか、所蔵資料の相互利用、さらには、所有する資料(収蔵作品)・情報をデジタル化して保存・公開するシステムの実現に向けて相互に連携・協力し、新しいサービスの実現を目指します。
主な連携・協力事項
- 県立長野図書館業務システムによる蔵書管理の統一化に関すること
- 資料の相互利用に関すること
- 参考調査に関すること
- 利用者向け講座・展示等のプログラム企画に関すること
- 県内地域情報のデジタルアーカイブのポータル構築研究・実現に関すること
当館は、県内のさまざまな機関が所有する信州に関する情報や資料をつなぎ、公開していくことで、信州の「知の基盤」を作る役割を担っていきたいと考えています。
今後、事業が具体化された場合にはその都度HP等でお知らせいたします。
【お問合せ】資料情報課(TEL:026-228-4921)
どこコレ? 信州篇 @県立長野図書館
ー信州のまちのキオクをキロクしようー
県立長野図書館では、戦後のまちの図書館と人々の姿を記録した写真を展示します。
この写真は、いつ、どこから、どの方角を撮ったものだろう?写っているのはなんだろう?思い出される当時のオモイデは?
みなさんの情報をお待ちしています。
あなたのまちの写真大募集!
この写真はどこだろう?
家のアルバムに眠っている懐かしい街並みや暮らしの様子を写した写真をご提供ください。写真に記録された記憶をデジタルにして信州の歴史として残し、みんなが使える情報にしませんか?(お預かりした写真現物はデジタル化後にお返しします。詳細はお問合せください。)
「どこコレ?」とは…
NPO法人20世紀アーカイブ仙台が収集した写真等の中で、「コレ」は「どこ」なのかわからないものを公開展示し、来場者に情報提供を募り、コレクションするプロジェクトです。毎春、せんだいメディアテークで開催されています。
「どこコレ?-おしえてください昭和のセンダイ」https://www.smt.jp/projects/doko/
「どこコレ?」各地で同時開催!
「どこコレ?」は各地で同時開催します。お近くにお越しの際はぜひ足をお運びください。
- 熊本…くまもと森都心プラザ図書館
- 信州…県立長野図書館、伊那市立図書館、ほか
- 東京…お茶ナビゲート、新宿区立四谷図書館
- 高松…情報通信交流館e-とぴあ・かがわ
- 小樽…市立小樽図書館
「どこコレ?信州篇@県立長野図書館」開催期間
2019年4月27日(土)ー6月30日(日)
(平日)10:00-20:00 (土日祝)10:00-17:00
毎週月曜日と月末最終金曜日は休館です。
会場
県立長野図書館 3階 「信州・学び創造ラボ」
主催
県立長野図書館
企画協力
NPO法人20世紀アーカイブ仙台/せんだいメディアテーク/株式会社HUMIコンサルティング
【お問合せ】企画協力課(TEL:026-228-4939)
“ものづくりを通じた創造的な学びのプロセス”を整えるため、
「信州大学教育学部附属
次世代型学び研究開発センター・Fablab長野」、
「株式会社アソビズム」
と三者の連携覚書を締結します
県立長野図書館は、県内における”ものづくりを通じた創造的な学びのプロセス”を整えるため、信州大学教育学部附属次世代型学び研究開発センター・Fablab長野(所在地:長野県長野市 センター長:村松浩幸)、株式会社アソビズム(本社:東京都千代田区 代表:大手智之)と、三者による連携及び協力に関して覚書を締結することになりました。
具体的には、「信州・学び創造ラボ」の活用方策に関するアドバイスのほか、全県的なものづくり拠点の運営者によるコンソーシアムの設立に向けた研究、ものづくりに関するスキル習得プログラムの開発やモデル化などについて相互に連携・協力していきます。
連携覚書締結式
日時
平成31年4月27日(土)12:00~
会場
県立長野図書館3階「信州・学び創造ラボ」(〒380-0942 長野県長野市若里1-1-4)
覚書への調印
信州大学教育学部附属次世代型学び研究開発センター・Fablab長野 センター長 村松浩幸 氏
株式会社アソビズム 代表取締役 大手智之 氏
県立長野図書館 館長 平賀研也
(参考)当日は、「信州のプログラミング教育を牽引するMakersフェロープログラムキックオフ集中講座」[長野県教育委員会、MITメディアラボライフロングキンダーガーデンチーム、Fablab長野(株式会社アソビズム、信州大学教育学部附属村松浩幸研究室)]が、信州・学び創造ラボで開催されます。(9:00-16:30、参加は事前申込者のみ、見学歓迎)
第1回共同ワークショップ
「国際こどもの日ーミニ KOINOBORI を作ろうー」
世界のFablabネットワークが制定する「国際こどもの日」に合わせて、ものづくりラボにあるレーザーカッターやUVプリンタを使ったミニサイズのこいのぼりを作ります。どんなふうに機械が動くのかを見学したり、好きな模様を書いて組み立てて、世界にひとつのこいのぼりを作ってみよう!
終了後には南米のFablabとテレビ会議でつながります。こちらもお楽しみに!
日時
令和元年5月5日(日)10:00-11:30
会場
県立長野図書館3階「信州・学び創造ラボ/ものづくりラボ」
対象
5歳以上 小学生以下【参加無料】
定員
10名(※先着順/同伴の保護者の方は定員に含みません)
満員になった場合でもご見学は可能です。
持ち物
特にありません。色を塗ったりしますので、汚れてもいい服装でお越しください。
申込
(1)お名前 (2)年齢 (3)連絡先 を記載し、ken-tosho@library.pref.nagano.jp へお申込みください。
「信州・学び創造ラボ」とは
「共知・共創(共に知り、共に創る)」をコンセプトとした「信州・学び創造ラボ」は、人と人がつながり、共に学びあい、新たな社会的価値が創造されていく場を目指しています。それはまた、多様な人びとの自由な活動を実現するための運営方法やルールもみんなで考えていくという、これからの図書館や公共空間のあり方を考えるための実験室でもあります。
信州のこれからの学びの姿を試し体感できる「開かれた学びの場」として、ぜひご活用ください!
プレスリリース
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/bunsho/happyou/documents/sansyarenkei.pdf
[関連するお知らせ]
*県立長野図書館Facebookページ https://www.facebook.com/NaganoLib00/
*国立国会図書館『カレントアウェアネス』http://current.ndl.go.jp/node/38099
【お問合せ】企画協力課(TEL:026-228-4939)
当館は、主要事業のひとつとして掲げている「信州の知のポータル」をはじめとした新たな信州の情報基盤確立のために、平成30年10月25日(木)に国立情報学研究所 教授 高野明彦氏と、平成30年10月31日(水)に株式会社カーリル(代表取締役・吉本龍司)と、それぞれ「連携・協力に関する協定書」を締結しました。
主な連携協力事項は下記のとおりです。
国立情報学研究所(NII) 高野明彦教授との「連携・協力に関する協定書について」
1.当館が開催する情報基盤研究会へのアドバイス
- コンテンツの選定・構築
- 検索方法・データ保持方法
- 最適なユーザーインターフェイス
- 新たな図書館・デジタルアーカイブサービスに関わる学術研究に関すること
2.情報基盤「信州・知のポータル」構築に関する監修
- 新たな図書館・デジタルアーカイブサービスに関わるシステムの構成等、技術開発・運用に関すること
- 構築された図書館・デジタルアーカイブサービスのアプリケーション・コンテンツ、それらのインターフェースデザイン及びその活用
「知のポータル」の構築をはじめとする信州の情報基盤の確立に向けて、デジタルアーカイブジャパンにおいて期待されている都道府県レベルのつなぎ役(アグリゲーター)としての当館の役割等についてアドバイスをいただきます。
株式会社カーリル(代表取締役・吉本龍司)との「連携・協力に関する協定書」について
- 新たな図書館サービスに関わる学術研究に関すること
- 新たな図書館サービスに関わる技術開発・運用に関すること
- 構築された図書館サービスを他機関図書館に活用支援すること
具体的には、当館が計画を進めている「信州・知の情報基盤」の構築や、各種検索サービスの充実など、様々な領域で協業して新しいサービスの実現を目指すとともに、研究結果・実証結果などの幅広い公開を進めていきます。
【お問合せ】企画協力課(TEL:026-228-4939)
子ども読書情報館について、図書館の取り組みをこちらで掲載してまいります。
現在情報の準備中ですので、しばらくお待ちください。