長野県図書館協会 > 長野県図書館大会 > 平成19年度第57回長野県図書館大会 > 図書館大会分科会6~10
更新日:2025年12月16日
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司会者 市川 雅江(大町市 美麻小(中)学校)
発表者 サポート委員会 碓井 美恵(松本市 芳川小学校)
矢口 芙美子(伊那市 伊那小学校)
六川 美奈子(坂城町 村上小学校)
(1)藤田洋一先生(長野市 信田小学校)あいさつ
「学校図書
館の蔵書を増やす!」(リーフレット)から、「新学校図書館図書整備5か年計画」がスタートしていますが、自校の図書館蔵書冊数が図書標準を満たしているか確認してください。選書の際には絵本のリストなどを活用すると良いでしょう。
(2)サポート委員会発表
幼児・低学年向けの絵本のリストはたくさんあるが、高学年・中学生向けは少ない。そこで10才からの絵本を考えていきたい。サポート委員会では、10代にこそ出会ってもらいたい本50冊のリストを9つのテーマで作成した。
リストにあげられている50冊の本が用意されていたので各自1冊を選び、6つの班に分かれ話し合った。
1班 「戦争で死んだ兵士のこと」小泉吉宏(ベネッセ)
白黒の絵の中で戦争の悲惨さが淡々と描かれている。戦争の本として紹介した。
2班 「あの森へ」クレア・A・ニヴラ(評論社)
文章だけではなく絵も読む。怖い森へ入っていくということは自立を表しているのではないか。自分の家は明るく森は暗く描かれている。冒険することで成長する。
3班 公共図書館の方から
フォローが必要な子がいる場合、公共図書館の職員やボランティアでは読めない本がある。学校で読むときには学校側とのコミュニケーションが必要となる。
4班 「ありがとうフォルカー先生」パトリシア・ポラッコ(岩崎書店)
障害などを扱った本はどんな時間にどうやって読めば良いか。コミュニケーションが大切。
5班 「ぼくを探しに」シルヴァスタイン(講談社)
仲良しグループにはまりこんでしまうと周りが見えなくなる。高学年・中学生に。
6班 中学生に読み聞かせをしている。絵本に年齢制限はない。中学生でもよんでもらいたいのではないか。50冊のリストは大変参考になった。
アンケート用紙記入 分科会で用意した反省用紙もあり、計2枚に記入
助言者 大久保和彦先生(伊那教育事務所 学校教育課 指導主事)
司会者 酒井秀樹先生(安曇野市立三郷小学校)
発表者 両角圭司先生(茅野市立湖東小学校) 安藤辰昭先生(箕輪町立箕輪南小学校)
平中和司先生(上松町立上松中学校)
箕輪南小学校 安藤辰昭先生 「一人ひとりの子どもたちの読書力向上への取り組み」
上松中学校 平中和司先生 「自分の読書生活の向上を目指して」
湖東小学校 両角圭司先生 「低学年の児童に読書への興味を持たせるために」
2000年の調査では読書離れが進んでいたが、最近では状況が改善されてきている。これは、情熱をもった実践のおかげである。朝読書などの読書活動は、ただ読ませるだけではなく、情熱をもって援助の手を差し伸べることが大切である。
読書の環境を作るにはコンセプトを持ちながら実行し、学校ぐるみでの指導(中心に司書の先生、動くのは担任)をしていくと、子どもの発達に応じて系統的に計画していくことができる。読みの高まりを見通したカリキュラム作りをしていく。低学年のうちに読書の楽しさや親しみを持てなかった子どもは高学年になってからではそういう気持ちをもつことはなかなか難しいので、タイミングを逃さないことが必要である。
読み聞かせは、読み手の愛を伝え、言葉の力に触れさせていく機会である。中学の読み聞かせでも、言葉の力を通して生徒と先生の関係ができていく。また、自分はなぜ朝読書をするのかという、朝読書との関わり方を意識させていくことが生徒の自立の第1歩になる。学級担任の役割は、実際に本を読む時間を作っていくことである。学級担任は、本を読む一番身近な人であり、ほんの情報をきちんと知らせる人であり、また本を読む時間を作り出せる人である。
調べ学習では、司書の先生と綿密にリンクし、欲しいときに欲しい本がそこにある状態にしておくことが大切である。また、調べ読みは大人になってからも必要であるので、索引、背表紙、目次からの見つけ方やまとめ、処理の仕方など系統的に指導していくことが大事である。
読書力を高めるためには、教師の工夫と情熱を大切にしていくことが重要である。
助言者 西原秀明 先生(上田教育事務所指導主事)
司会者 宮下光夫(安曇野市立穂高南小)世話係 手塚礼乃(安曇野市立豊科南小)
記録者 金内薫(飯山市立第一中学校)
発表:10分間読書、読書旬間中の催し、公共図書館からの借受けなど、司書がいない中でボランティアの力を借りながら取り組んでいる活動事例を発表した。
討議:10分間読書を、朝ではなく掃除の後(5校時前)に行っているという報告に対し、この時間帯に行うことに対するメリットは何かについて討議された。他校の実践も報告され、次のようなメリットがあることがわかった。
(子どもが目覚めている・朝の会がくいこんだりしないので時間を確保できる・心を落ち着かせて5校時に臨むことができる・図書を20分間休みに借りて用意できる)
さらに、係の先生のみで運営しているという報告に対し、全学校に専任学校司書の配置を希望したいという意見がでた。
発表:手作りの小物や、絨毯スペースなどの気持ちよく温かい環境、コーナーの設置、読み聞かせ、ブックチャンピオンの発表などの事例を発表した。今後の課題として、調べ学習時、個々のテーマにどう対応するのか、また、児童を読書に向かせるような授業展開ができないかを考えていきたいと述べた。
討議:様々な活動が多くの児童に対して読書のきっかけとなっているという報告をうけ、本が苦手な子と好きな子、というふうに二極化してしまわないような方法はないかということについて討議された。一斉読書の時に、担任が必ず同席し声がけを行なうようにする。また、児童の個人的な興味をつかんでおき、前もって関連資料を用意しておくと効果があるなどの意見が述べられた。
発表:朝読書、行事に絡めたコーナー設置、図書館だよりの発行などの事例を発表した。また、朝読の時間を読書だけの時間として確保する(他の事に回さない)など、学校全体が読書推進活動に取り組むことが何よりも大切だと述べた。今後の課題として、司書との連携を図ることや、図書館利用年間計画を立てることが必要だと述べた。
討議:学校全体で活動しているという報告をうけ、小学校と中学校では先生方の読書推進活動への意識に温度差がある(中学校は意識が低い)。地域差などもあり、公平性が心配されるという意見がでた。また、ケータイ本などの流行本へ偏った読書傾向がみられる児童が、どの学校にもおり、その対応についても討議された。
読書は学力に関係があることがわかってきている。情報をいかに活用するかという力は、点数だけで考えられない生きる力である。書架にキャラクターをつけたり、出入り口を工夫したりと、様々な試みが児童を図書館に結びつけ、生きる力を伸ばすことにつながるだろう。図書館活動には多くの事例があり、何をしていいかと迷うけれど、できることとできないことを明確に認識して進むことが大切である。
助言者 清水 祐子 先生(総合教育センター専門主事)
コーディネイター 矢島 喜久雄 先生(原小学校)
パネラー 冷水 結美子 先生(穂高幼稚園)
布山 晶子 先生(穂高南小学校)
巻山 由子 先生(穂高南小学校)
山崎 奈穂美 先生(三郷中学校)

自ら本を手に取る力をつける 読書と体験の重視 園における行事や生活からの本の選定は良い取り組みだ 目的を明確にした選書 教科学習の中で本と関連した授業を実践する
助言者 細川 恒(松本深志高等学校)
司会者 蒲生 博子(白馬高等学校)
上田東高校では、今年度台湾からの修学旅行生との交流会が行われた。4月中旬に決定し、5月29日実施というあわただしい日程の中、図書委員と英語班が中心となり計画を進めていった。
季節柄「端午の節句」を装飾のテーマにし、幟、鯉幟、五月人形等を校内外に飾り、日本の特色を出した。交流会の内容は、日本文化や上田東高校の特色のプレゼンテーション、日本のベストセラークイズ、折り紙等であった。
1時間半ほどの交流だったが、生徒はガイドブックや身振りで、話が弾んでいた。この交流会からは、(1)ひざとひざを突き合わせるとより親しい交流が出来る。(2)普段からの図書館内の美化、整理は大切。(3)図書委員は比較的おとなしいので、普段から外と繋がれるよう教員からも働きかけをしていくことが必要。(4)司書は生徒と本の橋渡しのため必要である。以上の4点の重要性を感じた。
最近は県下の高校でも国際交流が頻繁に行われており、当日の会場でも南安曇農業高校が中国・タイと、県ヶ丘高校は台湾との交流を行っていた。しかし、ほとんどの場合、生徒会と関係教科で実施していて、一つの委員会が中心になる学校は珍しいということであった。
県ヶ丘高校では、(1)親しみやすい図書館作りとして、館内環境の整備や装飾、配置替えを行う。(2)高校生の興味を引く蔵書構成にするため、生徒向け新刊の購入と、古い資料の除籍を進める。(3)発信する図書館となるため、広報活動の充実と図書館行事の実施。の3点を目標に図書館活動をしている。
2年前から図書委員会主催で年2回ほど実施してきている図書館講座を一般公開にした。講座の内容はアメリカ留学体験記、詩のボクシング、裁判所・裁判員制度のしくみ、気候の異変、よみきかせなど多岐にわたっている。新聞に記事を出したり、市役所の市民コーナーにチラシを置いたりして市民へのPRも行っているためか、参加者は十数名から60名ほどにもなる。
利用される図書館を目指し、その一貫として図書館講座を実施してはいるが、このままの方向でいいのか現在迷いながら計画を立てている。
図書館講座は多くの高校で行われているが、講師のほとんどが自校の職員である。外部講師を呼ぶためのアプローチ、予算、人集めの秘訣について情報交換がなされた。
講師選定はほとんど生徒に任せている、謝礼は気持ち程度で引き受けてくれる方がほとんどなので数千円である、本当に聞きたい人が集まれば少人数でもかまわない等の意見が出された。
深志高校でも長く図書館ゼミを続けているが、ほとんど生徒に任せている。講師と連絡を取り合う中で生徒たちはさまざまな事を学んでゆくので、心配しないで生徒に任せたらいい。内容や集客数にこだわらず、気楽にやっていくのが長続きの秘訣である。