長野県図書館協会 > 長野県図書館大会 > 平成17年度第55回長野県図書館大会 > 図書館大会分科会6~10
更新日:2025年12月16日
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助言者 和田 敦(長野教育事務所教育支援主事)
司会者 山下 千鶴子(佐久市立高瀬小学校)
発表者 山崎 芳美(岡谷市立上の原小学校) 輿 幸夫(松本市立筑摩野中学校)
加藤 敦子(須坂市立井上小学校) 牧野 優子(学校図書館サポート委員会)

司書教諭として時間を確保したいが、学級担任や授業時数の関係から司書教諭として時間を確保できない悩みがあげられた。しかし、短時間の朝読書で読み聞かせを行う、他の教職員に図書館教育の方法や授業について話をしたり呼びかけたりすることなどの意見が、少ない時間の中で図書館教育を行っている工夫として出された。それにしても、一人の力では十分にできないため、多くの教職員と情報交換をし、できることから少しずつでも始めていき、図書教育の種を蒔いていくことが大切であると確認された。また、司書教諭と学校図書館司書との連携・協力については、専任か兼務かにもよって難しさが異なる。兼務の場合、お互いの情報交換の時間が限られ、連携・協力体制をつくることが難しいという意見が出された。専任となると、学校図書館司書の勤務時間にもよるが、役割を分担し様々なニーズに応えられるなど協力体制を組んで図書館教育の環境をつくる可能性が広がる。こうした中で、司書教諭の時間の確保と学校図書館司書の全校配置を実現していき、専門性を生かした協力・連携体制をつくることが必要である。また、できることから始めることこそ、図書教育の充実の一歩と考える。
図書館教育の必要性を十分理解し、図書館教育を教育課程編成のグランドデザインの中に位置づけてもらいたい。そして、子どもたちの願う姿を頭に入れて、教科指導の具現化を図っていくことである。しかし、現況の中で難しいことは理解してはいるが、時間・人・予算の制約の中で、できることを少しずつやっていってもらいたい。そうした積み重ねで、学校の中に図書館教育が位置付いていくものと考える。
記録者 牛田 佳伸(佐久市立浅間中学校)
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助言者 熊谷邦千加先生(上田教育事務所教育支援主事)
司会者 水澤 良光先生(泉小学校)
発表者 久保 多美枝先生(大鹿村立大鹿小学校)
香山 芳枝先生(上田市立塩田西小学校)
高橋 かず枝先生(長野市立三陽中学校)
(1)討議の柱1
総合的な学習や教科学習での支援のあり方と課題(地域との交流、学習の見通しの持たせ方)
もっと知りたい日本の歴史!~歌舞伎を学ぶ子ども達~
発表者 久保多美枝先生(大鹿村立大鹿小学校)
村の伝統芸能「大鹿歌舞伎」への子どもたちの取り組みを通して
郷土を愛する心を育みたい(担任の願い)
↓
情報収集・活用能力の育成
(2)質疑
(3)参加者の意見
◇助言者指導
↓
子ども達一人ひとりが、満足感を得、学ぶことの多い学習内容。
総合的な学習(コーディネートする力)
社会科(歴史を学ぶ、追究する)
年間計画の中で図書館利用の仕方を考え、より効果的に図書館を利用してほしい。
(2)討議の柱2
小中学校での支援のあり方と課題(朝読書、インターネット、本を読まない子に対する指導)
主体的な学びを支える学校図書館(上田市立塩田西小学校 香山芳枝先生)
主体的な学び→進んで読書をする子を育てるための支援
主体的な学習を支援する学校図書館のあり方(長野市立三陽中学校 高橋かず枝先生)
(3)小中学校での支援のあり方と課題(朝読書、インターネット、本を読まない子への指導)
◇講師指導
図書館と教科をつなぐ
各教科でどのような資料が必要になるかを検討。(年度末に調査し、年間計画を作成する。)
記録者 篠原郁子(浅科小学校)
司会者 太谷 義彦(長野西高等学校)
発表者 内山 伯子(上田千曲高等学校) 遠山 和夫(木曽高等学校)
(1)発表の概要
基本方針である「生徒の読書活動・学習活動への支援」は、具体的には生徒の資料要求に応えることである。
リクエストはもちろん、日常の生徒とのコミュニケーションの中に選書のヒントを得る。
課題研究等の授業への資料提供を積極的に行う。特に通年利用の教科はテーマを5月には掌握し、購入する。
生徒希望図書の予算を増やしている。
生徒図書委員会役員による店頭購入は年2回実施。読書傾向を知る上で重要な行事である。
その他図書館に目を向けさせるために、次のような工夫をしている。
「ミッケ」「ザ・テレビジョン」「CDでーた」など生徒を引き付ける資料の購入。
スポーツ等で活躍している生徒の新聞掲載記事の切抜き掲示。
資料と人を結ぶ役割を様々な図書委員会活動を通して担い、情報を発信している。
(2)討議の概要
上田千曲高校を訪問した際、図書委員が文化祭に向けて熱心に準備をしている姿に感心した。
Q 希望図書の中には専門書が多いが、文学・文庫図書の購入はどの程度か。
A 文学や文庫(富士見ファアンタジア・電撃文庫)などもできる限り購入している。生徒希望図書には、司書が希望を察知して入れたものもある。
Q なかなか選書ツールでいいものがないが、何を参考にしているか。
A 専門書の選書も、生徒とのコミュニケーションの中で、その生徒に合った程度の本を即刻購入している。できるだけ本屋に行き、専門分野の前に立つ。司書自ら直接手にとってみる。リストだけでは購入しない。年2回長野の大型書店にも行くが、その際は5時間位選書に専念する。図や写真の多いもの、翻訳物より日本人の著作がわかりやすい。苦手な電気・機械の分野については、先生に選定を依頼し、生徒にも教わる。
(1)発表の概要
全校読書会は途中1年間中断したが、10年余り続く伝統行事である。
以下のような日程で約半年かけて計画的に準備し、実施している。
<5月>テキストの推薦アンケート実施。
<6月>テキストの決定・購入。
<8月>読書感想文の作成と提出。
<9月>司会者の決定と読書会運営準備→レジュメ作成
<10月>読書会の実施。
図書委員作成の司会者用のマニュアルは、事前の準備や当日の運営・レジュメの作成に大いに役立っている。今年度は32分科会(1学年4クラスあり、学年別で、1分科会5~29人)・時間はLHRを利用し70分間であった。
当日巡回したが、三分の二は談論風発。三分の一は活発とは言えない状況であった。
職員のアンケート結果では、司会の頑張りにより概ね充実していたと答えている。
テキスト選定は難しい。生徒の推薦図書はTV化・映画化等された作品が多くなる傾向にあり、悩むところである。しかし、アンケートではテキストも妥当であったという感想が多かった。
本を読まない、感想文未提出などの消極的な生徒が増えているのは課題である。
「言語分析能力は学力に直結する」とも言われている。読書会テキストしか読まない生徒、仲間と議論する機会が少ない生徒にとって良い機会である。○図書委員会にとって大きな負担であるが、活動の活性化につながっている。課題解決の糸口を探りながら継続したい。
(2)討議の概要
読書週間中に「朝の読書」で課題図書を読み、感想文提出。その後、読書会を図書委員全員と希望者で実施している。しかし、参加者が少ない。今日のレポートを聞いて、事前の準備が大切だと痛感した。
Q アンケートをとるのは職員だけか。
A 生徒は記録表にまとめて提出する。
Q 図書委員会の役割は。
A 図書の推薦、3回の司会者合同会議の招集と運営、テキスト販売の手伝いなど。
Q 司会者により左右されるが、分科会2名で64名をどう選出するか。分科会は3学年混合か。
A 分科会の中から国語科の職員が人選する。分科会は学年別。テキストは学年に合せグレードを変えている。
司会 読書しない生徒にいかに読ませるか、図書館を利用させるかというのが悩むところである。私も課題図書のレポートを提出させ、テストに出題したことがある。テストというのは問題もあろうが、一定の効果があった。今日の実践レポートを参考に、各高校日頃の活動に生かしていただきたい。
記録者 小林 典子(長野西高等学校)
司会者 岩波 峰子(信州大学工学部図書館)
発表者 塩沢 千文(飯田女子短期大学図書館)
飯田女子短期大学は、看護学科は3年制、家政学科、幼児教育学科は2年制、専攻科は1年で、講義を中心とした教室での授業以外に、資格取得のための学内・学外の実習がある。利用対象学生730名、教員84名。図書館には、蔵書が6万冊、購入雑誌140種類、閲覧席75席、開館時間は8時45分~17時(金曜日のみ18時半)などがパワーポイントを使って紹介された。電算機での貸出、CATやILLなども行なっている。全国的にみて短期大学図書館としては平均的な運用をしている。1人当たりの貸出冊数では全国短期大学平均を上回っている。
平成17年1月に中教審答申で提言された「大学における教養教育」の提供を短期大学で行なう事を考えると、本来短期大学の教育が求めている図書館像は何か。短期大学図書館がどんな目標をもって改善していかなくてはいけないか考察した。
自己点検及び第三者評価、他大学における図書館の活動、文献による図書館利用評価などを参考に、看護学科生の貸出データを分析した。その結果を看護学科教員へアンケート調査をして、いくつかの読書傾向を確認した。在学中の看護学科学生へ、入学前の図書館利用嗜好と入学後の平均貸出数を調査し、傾向を探った。公開講座受講者へのアンケートを行い、自分の興味ある分野と、問題解決方法、公共図書館などの利用頻度を調査し、その傾向を分析した。
学生については大きく2つに分けられる。1つは「ほうっておいても図書館利用をする学生」であり、もう1つは「図書館サイドからのアプローチの効果があると考えられる学生」である。前者は高校時代に読書・図書館利用をしていた学生であるが、カリキュラムや教員の指導で図書館を利用せざるを得ない現状では、両者の差異がなくなっている。しかし、今日的課題として、情報化社会を生きるための教養である「情報リテラシー教育」を積極的に行なう必要性があり、また、インターネットなどを通して図書以外の情報が入手できる時代となり、大学生のレポートにおける剽窃の問題、構成力・分析力・批判力等の弱体化の問題も指摘されている。これらは本来「本を読むこと」で身につく力であると考え、読書の重要性を感じている。
飯田女子短期大学図書館では、学生への読書推進として教員による推薦図書の読書運動「読ままいか(飯田地方の方言で「よみましよう」の意味)」を実施している。
下記について質問が出て、回答を得た。
また野村部会長(信州大学附属図書館長)より、最近の学生の文章能力につての説明があった。
記録者 折井 匡(信州大学医学部図書館)
助言者 小池 隆(伊那教育事務所 教育支援主事)
司会者 依田 緑(小諸市立芦原中学校)
発表者 稲垣 恵子(箕輪町立箕輪南小学校) 野沢 美嘉(塩尻市立宗賀小学校)
古澤万喜美(池田町立池田小学校) 奥原 里奈(飯山市立第一中学校)
(1)子どもと本を結ぶ豊かな活動
家族や先生、上級生からの読み聞かせ、朝や帰りの時間を利用した多様な読書経験、子ども達の手による行事や学習をテーマにしたコーナー作り、“ひとり読み”を支える音読読書など、さまざまな活動が読書意欲につながっている。(読書カード内の名前:仮名)〔箕輪南小学校〕
イラストや場所にたどりつくまでのヒントを書いたカードを作り、ゲーム感覚で本を探す「本の場所あてクイズ」、季節や学校行事に合わせた本のコーナー、先生のおすすめ本の読み聞かせ、全校児童による自分のおすすめ本の紹介など多様な本の紹介活動によって読む本のはばが広がり、目的の本を自分で探し出す力もついてきている。〔宗賀小学校〕
(2)読書感想文の指導を通して子どもと本を結ぶ
これだけは読んでもらいたい推薦本をあげ、読んだだけで終わらないように『読んだ本のまとめ』として感想メモを残している。そのメモを利用すれば心に残ったことが印象つけられているので、何を書けばよいのかはっきりして、読書感想文が書きやすくなる。〔池田小学校〕
読書感想文は「書き出しの工夫」「題名の工夫」を中心に書き方のポイントを指導する。題名の工夫は強く心に残った場面を思い返したり、丁寧に読み返したりすることになるので、作品をより理解することができる。書き出しの工夫は書くことの抵抗感を減らし、自信をもって取り組む意欲につながる。〔第一中学校〕
『読んだ本のまとめ』
「子どもと本を結ぶ豊かな活動」として、家庭読書や読み聞かせ、おすすめの本の紹介を取り入れている学校は多い。その中で、地域のボランティアによる昔の口調や方言での語り、読みたくなるような本の紹介文の書き方など、工夫した取り組みが出された。
「読書感想文の指導」としては、発達段階に応じた実践が紹介された。挿絵などを参考に気に入った場面を絵に描いて一言感想をそえる、原稿用紙に限定せずふきだしや罫線など、見ても楽しい感想用紙を用意する、といったアイディアが出された。
読書への意欲化のキーワードは、「習慣化」「活動の多様化」「意味・意義」である。発想の転換をした読書指導や、読書は意味のある大切なものだと分かってもらえる活動を考えてほしい。
読書は一生にわたる力であり、今求められている論理的思考力である読解力もまた一生に関わる力である。国語の教科の中だけではくくれないが、焦点化、具体化、個性化をしてつける力を系統化して指導しなければいけない。読書感想文指導にあたっては、伝えたいことを明らかにし、その子の体験に寄り添って対応することが大切である。
記録者 鹿取 ちか(佐久市立田口小学校