長野県図書館協会 > 長野県図書館大会 > 平成18年度第56回長野県図書館大会 > 図書館大会分科会6~10
更新日:2025年12月16日
ここから本文です。
)
戻る
助言者 なし
司会者 小林歩美(諏訪市立城南小) 県図書館協会小中学校部会サポート委員会
発表者 牧野優子(飯田市立松尾小)・橋渡久美子(麻績村立麻績小)〃
<授業実践>「子どもたちに読書の楽しみを広げるために」牧野優子(飯田市立松尾小)
小3の国語の発展学習として、「いろいろな昔話の読み比べをしよう」というテーマで「図書館の時間」を4時間使って昔話の読み比べをした事例の発表。
教科書で「聞き耳ずきん」を読んだ子どもたちに教科書とはあらすじの異なるお話を読み聞かせると、本によって話が違うことや登場人物が違うことなどに興味を持った。他の昔話でも本によって違うのだろうかといろいろな昔話の読み比べをした。クラスの中で発表し合いそれを参考に自分の読んでみたい昔話を読んだ。
<実践の成果>
子どもたちは一人読みでは気づけなかった本の楽しさや本を読むことの楽しさを広げられた。
いろいろな本を比べてみると、昔話には地域に伝わるお話の違いもあるが、作者がおもしろおかしく創作し作り替えてしまったものや絵が昔話の世界とかけ離れてしまっているものなどもあることがわかり、図書館の本の選書の重要性と責任の重さを感じた。
参加者4~5名が一グループになり、サポート委員会が用意した昔話絵本の読み比べをした。「かちかちやま」「うらしまたろう」「三びきのこぶた」「つるのおんがえし」「ももたろう」「さるかに」「こぶとり」の7つの昔話が選ばれた。
その後、一グループ3分くらいの発表の時間をとり、お話の違いや比べてみての感想などを発表し合った。
小澤俊夫著「昔話が語る子どもの姿」古今社、松岡享子著「昔話絵本を考える」日本エディタースクール出版部の2冊を紹介し、昔話は自然界の畏怖や生き死にを教えてくれるものであるから残酷なこともそのままに避けないで伝えていった方が良いこと、正しく伝えられている本を選んで手渡すことが大事である。そのために司書はいろいろな本を見て勉強をし、限られた予算の中で選書する力を高めていくことが大切である。
Q、昔話をたくさん読んでもらってきた子とあまり知らない子との温度差があり、昔話を読み聞かせることに迷いを感じる。
A、あまり読んでもらっていない子に合わせて何度か続けるうちに、よく聞けるようになった。昔話だけ続きすぎても飽きるので、時々読んでやる。低学年より高学年の方が反応が良い。昔話で学べることも多いので是非薦めたい等の意見が出た。
特集論文「読書にはどんな意味があるのか」ノートルダム清心女子大学教授 脇 明子
をプリントで紹介した。
読書そのものが大切なのではなく、子どもがちゃんと育つことが肝心なのであり、子どもたちが「生きる力」を身につけるのにも読書が役にたつということ。良い本を伝えていくには大人の手助けも必要で、長い本を担任の先生たちが何日もかけて読み聞かせることも大事なので是非やってみてほしい。
良い本はお話自体に力のあるもので、現実だけでは出会えない多様な問題や感情を体験させてくれたり、生きる力を与えてもくれるものだから図書館に入れる本を選ぶ司書は心して選書し、手渡していかなければならない。そのために勉強をし研鑽していかなければならない。
助言者 松本教育事務所支援主事 小池 隆
司会者 駒ヶ根市立赤穂中学校教頭 廣田 敦弘
発表者 長野市立朝陽小学校 吉田 真弓
松本市立五常小学校 小池 良徳
上田市立丸子北中学校 成澤 幸子
(1)吉田先生の発表から
子どもの読書への意欲を支える社会的・心理的要因について調査し、検討したところ、本と
のふれあいや読書環境が大切なことがわかってきた。そこで、「図書館って楽しいな。」と子どもたちが集うように、季節や行事に合わせた本の紹介や展示をするなど環境を整え、読み聞かせ等の活動を続けている。今後、読書から離れていく男子への支援が必要であると考える。
(2)小池先生の発表から
今年度より司書が入り、図書館が充実してきた。読書旬間中は、朝の10分間読書(平常では週1回の15分間のみ)、親子読書、読み聞かせなどを実施している。また、各教科における調べ学習において図書館の活用を進めている。今後、さらに読書時間を確保するために日課の工夫をする必要がある。また、調べ学習に対応できるように蔵書冊数を増やしたい。
(3)成澤先生の発表から
読書指導、生徒会の図書委員会への支援、読書旬間の充実などを行っている。図書館司書としての考えを前面に出し、それを学校のなかにいかすようにしている。読書指導の根本は、生徒とのつきあいであり、生徒を疲れさせないことが大切である。今後、登録・管理がスムーズにできるコンピューター化や調べ学習に対応した図書館の充実などが課題である。
助言者 和田 敦先生(長野教育事務所教育支援主事)
司会者 山田幸江先生(伊那市 西春近北小学校教頭)
発表者 【1】伊藤尚哲先生(南佐久郡川上第一小学校教諭)
【2】花田奈美先生(北安曇郡松川小学校司書)
【3】小林武男先生(下高井郡木島平中学校教諭)
1 発表の概要(本との出会い、ふれあい、分かち合いを大切にした小低学年の取り組み)
2 討議の概要
3 まとめ(助言者の指導)
1 発表の概要(図書館司書としての取り組み)
図書館に来ても、なかなか本の決まらない子どもたちへの支援としてブックトークを取り入れた授業を。
2 討議の概要
3 まとめ(助言者の指導)
1 発表の概要(中学校での取り組み)
北信濃の豪雪地帯、冬場の読書をすすめるにはよい環境。直接本屋へ出かけて本の選定、読書感想文コンクールへの取り組み。1年・紹介カード、2年・帯作り、3年・詞華集作りを国語の学習として取り組む。作品は、図書館コーナーへ展示。
2 討議の概要
3 まとめ(助言者の指導)
助言者 熊谷 邦千加(伊那教育事務所指導主事)
司会者 矢口 芙美子(伊那小学校)
発表者 高松 和子(慈光幼稚園園長)
木下 聖子(箕輪西小学校)
北原 理枝(南箕輪中学校)
園原 則子(伊那弥生が丘高校)
(高松)園児にとって、読書は、遊びの中で一体的にあるという考え方を基本として、園単位で取り組む。是非とも出会わせたいと思う本は、表紙絵が見えるように黒板に立てかけ、自然に見えるようにして、意欲が高まるような働きかけをしている。発達年齢に応じ、文章の内容に触れさせたい、最後まで読ませたいというものについては、年に数冊を個人持ちにしている。家庭で、園で、友だちと先生と自然な形で自由に楽しませたいと思う。
(木下)いろんなジャンルの本に触れるきっかけになればと願っての取り組みである。まずは、朝の読み聞かせを昔話中心に行う。次に、参観日に好きな本やおすすめの本の紹介を画用紙に書き、家の方にも参加していただき、あらすじや本の紹介して頂く。用いた絵は、掲示する。子どもたちは、いろいろな本に目が向き、楽しんで読書をする姿がある。また、音読カードを用いた音読宿題を出し、拾い読みから自分読みへ、そして、自分から他の友だちへの読み聞かせをする姿が育ってきた。
(北原)朝読書の取り組み
月~金まで毎日、始業と同時に毎日10分間の読書時間をとっている。そのことによって、一人読みの確立に有効である。本は、持ち込み許可である。他の例として、中規模校では、週1日、金曜日に10分間実施しており、1クラスが順番に図書館を利用できる。大規模校では週3日、火・水・金曜日に実施している。水曜日には、巡回お話会を設け、お話ボランティアとして外部の方などが読み聞かせを行う。このことにより、いい意味での緊張感が生まれ、図書館利用者数は上がっている。
(園原)大変多忙な生活の生徒達を何とか図書館へ誘いたいと願っての取り組みである。
出張貸し出し
学校全体で、一体となって取り組んでいくことが、大事である。読む力は、生きる力に通じる。
各校の取り組み、成果、課題そして発表者の考え方を知ることができ、この会が意味あるものとなった。先生方の熱心な取り組みの姿勢が本好きの子どもたちを育てることになっている。これからの時代に求められる国語力としての考える力・感じる力・想像する力・表現する力は、読書活動によって培われる面が強い。
児童を読書好きにできるか否かは、本に結びつけるきっかけ作りにある。いかに周りの環境を整えるか、学校のみならず保護者を含めた取り組みを考えていくことが大切である。